アトピー性皮膚炎と「経口減感作

Q.
生後6ヶ月の男の子です。あごからほおに湿疹があります。
検査で卵にアレルギーがあると言われました。
まだ卵は食べたことはありませんが、今後どうなるか心配です。

A.
乳幼児のアトピー性皮膚炎では、食物アレルギーを伴っていることが多い。
一般に症状が強いほどアレルギーを起こす食物の種類が多く、またその数値(抗原特異的IgE抗体、すなわちRAST値)が高くなる傾向がある。
ただ現在出ている湿疹と食物アレルギーが直接関係するかと言えば、
必ずしもそうとは言えない。母乳に含まれる食物はごく微量であり、少なくとも患者が食べていないものは湿疹の原因ではない。
また、症状が湿疹なのか、蕁麻疹なのか、はっきりさせる必要はある。

それでも食物アレルギーが強いと、離乳食で苦労することになる。
食べて全身に蕁麻疹が出るくらい強ければ、ずっとそれが食べられず、しばしば日常生活に影響することも多い。

食物アレルギーの強さはおおむねRAST値に相関するが、ときにそれが正常でもアナフィラキシーショックのような強い症状が現れる場合がある。
ソバアレルギーはその代表であり、また、それまで完全に制限している食物を多めに摂取したときなどでも起こる。
特に、体調が悪いとき、疲れているとき、運動後などにアレルギーは強くなる。

しかし、普段から食べていると、検査が陽性でも、食べても全く症状が現れないことがある。
従って、検査値のみで食物を制限するのは意味がない。

一般にアレルギーの原因物質(アレルゲン)を意図的に患者に与えて反応を徐々に抑えることを減感作といい、その状態をトレランスと呼ばれている。
スギ花粉症の減感作療法がよく知られているが、この場合は抗原液を皮内注射して行われる。
食物の場合はわざと食べることで減感作を行うことができる(経口減感作)。ただ摂取量を間違えるとショックの危険性もあり、専門医に相談して行った方がよい。


INDEX
Q&A