乾燥

Q.
2年前に総合病院の皮膚科で「乾癬」と診断されました。
以後1週間に2度くらいの間隔で通院していますが、よくなりません。
膝や手足によくでてかゆくなります。
とくに頭はひどく、毎日洗髪してもすぐにかさぶたのようなものができて、かゆくなり困っています。
治療は紫外線治療、ドレニゾンテープ、トプシムローションなどの他に、飲み薬、塗り薬、いろいろ薬をもらっていますが、どれも効果がありません。よい治療法を教えて下さい。
(70歳男性)

A.
尋常性乾癬は、原因のはっきりしない治りにくい皮膚病であるために、現在実にいろんな治療が行われています。
軽症でかゆみがあれば、ステロイドの外用剤、ステロイドを使いたくないときやかゆみがなければ活性型ビタミンDの外用剤がよく用いられます。

全身に広がると、外用剤だけでは対応できなくなります。

乾癬は冬に悪化し、夏季に軽くなります。紫外線が有効ということで、薄着で日光浴したり、海水浴で少しずつ日焼けするのもいいでしょう。
様々な紫外線療法(外用又は内服PUVA療法、ナローバンドUVB療法)も行われていますが、何度も通院しなければならず、面倒なものです。

風邪などの感染症のあとで悪化することも多く、体内に常在する細菌やウイルスのアレルギーが原因のことがあります。
細菌が原因のときは抗生剤を内服すれば症状はよくなりますが、細菌を完全に追い出すことは難しく、効果は一時的のことも多いようです。

乾癬は、外的刺激で悪化し、こすれたりするところ、たとえば膝の前や肘の外側などに多く、かゆみでひっかくと悪くなります。ごしごし洗うのもひかえて下さい。

肝障害が原因となっていることがあり、肥満や飲酒は症状を悪化させます。乾癬型の薬疹のこともあり、この患者さんのような老齢期になって初発した乾癬は、薬剤に原因がないか検討する必要があります。
重症の乾癬に用いられる薬剤に免疫抑制剤のシクロスポリンがあります。
移植後の拒絶反応を抑える目的で使われますが、乾癬にも効果があります。
腎障害や血圧上昇など様々な副作用に加えて、内服量が減ると再発しやすい傾向があります。
ビタミンAの誘導体エトレチネートも乾癬によく用いられます。
奇形児が生まれることがあり、中年以降でないと使いにくいのですが、私は主にこれを用いています。


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