ダニアレルギー

Q.
3年前から、ハウスダスト、ダニアレルギーで困っています。
冬になると治まっていたのですが、今年は冬でもダニアレルギーで首の後ろと腰回りが痒い状態です。
夕方くらいにそうした症状がよくでます。
皮膚科でアレルギーの薬をもらって飲みましたが、数年前の火災が原因で化学物質過敏症になったため、下痢してしまいます。
夏は刺されたところにレモン汁を塗って我慢しています。
掃除に心がけ、ふとんも干していますが、なかなか改善しません。
飲み薬に頼らずに対処するいい方法はないでしょうか。
(62歳女性)
A.
まずアレルギーの原因となるダニについて。
ヤケヒョウヒダニコナヒョウヒダニなどのチリダニ類は吸入すると喘息・鼻炎・アトピー性皮膚炎などを起こしますが、皮膚を刺すことはありません。
対策としては、とにかく掛け布団や毛布まで掃除機をかけること。
干したくらいでは死滅しませんし、死骸や糞でもアレルギーを起こします。
農薬を使用していない防ダニ布団やシーツも有効です。

家の中で刺すタイプのダニとしては、湿気の多い新しい畳につくツメダニ、古い家屋のネズミに寄生するイエダニ、ツバメの巣やニワトリ小屋に発生するトリサシダニがよく知られていますが、ご質問の内容からこれらのダニではないようです。

老人施設などに入所している患者に多い病気に疥癬があります。ヒゼンダニという皮膚に寄生するダニが原因で起こり、介護仕事などで感染することがあります。
アレルギーも合併しています。
この病気を診断するためには、皮膚からダニの虫体や卵を顕微鏡で見つけることが必要ですが、数が少なく簡単に見つからない場合も多いようです。

今年の症状をみますと、主にこすれたり、しめつけたりする所に多く現れていて、冬季の乾燥肌に蕁麻疹型の反応が一緒になっています。

この症状がダニのアレルギーが原因で起きているかとなると、難しいところです。
何故なら、検査でダニに対してアレルギーを起こす抗体が陽性だからといって、症状自体ダニが原因で起こっているとは言えないからです。
ダニという抗原を除いて症状が改善しないのなら、他の問題点も検討した方がよいかもしれません。

薬を飲みたくないのはよく分かりますが、抗アレルギー剤(作用的には胃薬と似たところがあります)の内服で経過をみるのがよいと思います。

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