いぼ

Q.
高校2年生です。
1年ほど前から、足、手の指に2〜3ミリのいぼができます。
何回もドライアイスで切り取っていますが、うまく取れません。完治しないのでしょうか。

A.
いぼ(尋常性疣贅)はヒトパピローマウイルス(HPV)が表皮に増殖してできます。
HPVには何十種類もあり、それぞれ症状や経過が異なります。
顔面や手背によくできる青年性扁平疣贅や陰部の尖圭コンジローマもHPVによる感染症です。
患者さん場合は心配ないと思いますが、HPVの悪性化するものもあります。

ウイルスが原因ということで接触すると他の人や、自分の他の部位に感染します。
触ってうつるということで、手指など服の着ていない露出部位に多く、ウイルスのついたところを裸足で歩くせいか足の裏にもよくできます。よくなる前はかゆくなるという話はありますが、ふつう痛みもかゆみもありません。ただ小児によく見られるドーム型のミルメシアは炎症を伴っており、痛みがあります。

水イボもそうですが、皮膚のバリア機能の低下した乾燥肌のある人、すなわちもともと感染症に弱いアトピー体質の人、特に学童に多く見られます。ストレスその他で免疫が低下していると感染しやすく、またなかなか治りにくいということにもなります。

いぼはウイルスであるためにそれを殺すような飲み薬がありません。
よく処方されるものとしてヨクイニンがありますが、原料がハトムギで、低下した免疫を活性化することでいぼを治療するものです。
その意味で自分の免疫状態がよくなれば、それだけでいぼが自然によくなることがあります。

いぼを軽石でこすったり、爪切りでへたに切ると数が増えたり、面積が広がります。
とにかく触らないことが大事です。
足指の間にできるとくっついて隣の指にも感染しますので、五本指の靴下がおすすめです。
バンドエイドは他の人にうつさないという配慮から、子供の場合昼間はやっておいた方がよいかもしれませんが、あまり長くはると白くふやけることでかえってウイルスがつきやすくなります。

皮膚科でよく行われる治療に液体窒素による凍結療法があります。
ターミネーターのようにマイナス約200℃の低温でいぼを凍らせて壊死させ、取り除こうという作戦です。
ただこの方法では足底のいぼは取れない場合も多いようです。
炭酸ガスレーザーでも奥に埋没したいぼは難しいようです。

足底のいぼには、いぼの部分をスピール膏を貼ってふやけさせて削るやり方もあります。
削るための専用のカミソリやくりぬき器も売られています。
スピール膏と同じサリチル酸を含んだワセリン、尿素軟膏、活性型ビタミンD軟膏、ケミカルピーリング剤などの外用、抗ガン剤(ブレオマイシン)の軟膏や局注が行われています。
今年新しいいぼの外用剤(イミキモド)が発売される予定です。

INDEX
Q&A