あせも(汗疹)

Q.
毎年、夏になると首の下、胸、肘の関節の内側などに「あせも」ができて、かゆくなります。
水分は多目に摂りたいし、外出するのも好きですので、困っています。
風呂上がりにパウダーをはたいたり、風通しを良くしたり気をつけていますが、
何か良い方法はないでしょうか。
肌着も綿100%にしております。
風呂も湯につかるとずっとほてっていますのでシャワーにしております。
(64歳女性)

A.
汗をかいてできる皮膚症状をひとまとめにして、「あせも」とよんでいます。
その中には湿疹や蕁麻疹だけでなく、ひっかいてできた傷や細菌が感染してできたものも含まれます。

乾燥肌程度の軽い湿疹でも、皮膚表面に近い汗管に炎症が及び、汗管が詰まったり、細くなって汗が通りにくくなります。こんな状態で大量に汗をかくと、皮膚の内部に汗がもれたり、汗が皮膚刺激となり、とくに汗のたまりやすいところ(おむつ部・背中・肘や膝の内側など)にいわゆるあせもができます。

あせもは一般に汗のかきはじめによくできますが、汗をかいているうちに出にくくなります。
また、汗は乾燥肌の水分補給となり、一緒に出てきた皮脂とともに最高の天然保湿剤になります。

アトピー性皮膚炎はあせもも関係しているという意見があります。
汗のたまりやすいところに湿疹ができやすく、汗をかくとかゆいということがその理由です。
汗は刺激になりますが、汗の成分によるアレルギーの存在も言われています。
前述しましたように汗はよい塗り薬にもなります。

汗の出はじめに違和感とともにチクチク・ピリピリしたかゆみのある細かい膨疹ができることがあります。
コリン性蕁麻疹と言い、ひどくなると入浴するのも困難になります。
アトピー性皮膚炎患者さんにしばしば合併し、原因としては汗疹と同様に汗孔の閉塞や汗のアレルギーが
言われています。
あせもはもともと乳幼児に多いものですが、高齢者の場合はたいていは汗かいたり、暖まってできるごく普通の慢性蕁麻疹です。

とりあえず抗アレルギー剤を夕食後に内服して症状が軽くなるかみられてはいかがでしょうか。
ただ掻爬を繰り返してすでに湿疹になっている部位があれば、ステロイドを外用して下さい。
それでよくならなければ、蕁麻疹ができる原因を内科・婦人科の部分も含めて検索する必要があります。

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